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2017年8月10日 (木)

おんな城主直虎第31回虎松の首

徳政令は望まんに徳政令は望まんに
瀬戸祝田の百姓たちの大合唱に、ついに武士が刀を振り上げたその時、
お待ちくだされ
見ると、小野但馬守政次高橋一生が、井伊直虎柴咲コウの首もとに刀を当てながら歩いて来た。
殿驚き叫ぶ奥山六左衛門田中美央
百姓たちも口に、直虎様直虎様と呼び、蒼白になっている。
政次は直虎を突き放し、直虎は思わず地面に両手をつく。
これは殿が仕組まれたことか

謀ったことかと聞いておると怒鳴る。
皆は、殿のせいじゃねえにと自分たちが勝手にやったことだと訴える。
すると武士が、では、ここで成敗される覚悟で来ておると
おおお、おおおと皆立ち上がる。
待て直虎が叫んだ。待ってくれ
政次は、では、ここではっきり仰せられよ。百姓の前で、井伊は徳政令を受け入れ、この土地を手放すと
ワシらが勝手にやったことだに
受け入れることはねーに
直虎は政次の顔をじっと見上げる。
俺を信じろ。信じろおとわ
あの言葉を信じるしかない。
直虎は、井伊は、井伊は徳政令を受け入れる
中野直之矢本悠馬も、六左も硬直する。
受け入れるゆえ、この者たちのしたことはお許しくだされ
自分たちのせいで、こんなことになってしまい、皆は泣いた。

政次は、直虎を関口氏経矢島健一のもとへ連れて行った。
百姓たちをたきつけたわけではなく、どうやら勝手に暴走したこと。
そして、その責任を取り、徳政令を受け入れると明言したことを、政次は関口に伝えた。
何じゃ、口ほどにもない。明日を待たず受け入れるのか
はい直虎は無念の面持ちで答える。
井伊は今川の直轄となった。
政次は改めて、関口に付き従うと忠誠を誓って見せる。
関口も、政次に、井伊の者を急ぎ立ち退かせるようにと命じた。

井伊家一同が集まり、直虎が皆に告げた。
井伊が、潰れた高瀬高橋ひかるが驚く。
あやめ光浦靖子も、何ゆえさようなことに
あの高瀬が聞く。それでこの先、どうなるのですか
我も、かような形での取り潰しは聞いたことがなく、あまり確かなことは
六左が言う。今川に刃向かったわけではありませぬし、そう酷いことには
お取り潰しは、お取り潰しでございましょうと母祐椿尼が言う。
はい。さように思うて動くのが肝要かと
その時、外が騒がしくなる。
何を無礼にもほどがございますぞ
見ると、政次と武士たちが怖い顔で乱入して来た。
政次は冷酷な表情で、この館はもう、井伊のものではない。すぐに立ち退かれますよう。出て行かねば、力に訴えねばなりませぬ
わかった、すぐに立ち退くゆえ、手荒なまねはよしてくれ
殿直之が直虎を見る。
急ぐぞ皆
さあと高瀬を守りながら女性陣も外へ出る。

直虎は六左と寺へ行き、虎松寺田心と直久山田瑛瑠を連れて行く。
南渓和尚小林薫は、すでに傑山を向かわせておる
万が一の時のために直虎は手を打っていたのか。
虎松と直久だけを連れて逃げるように行く直虎と六左を見て、不審に思った亥之助荒井雄斗は、もしや、叔父上がやったということですか
亥之助は政次のところへ走って行き、文句を言う。
不服なら、なつと共に出て行くがよい
納得がいかない亥之助は、母のなつ山口紗弥加のもとへ行き、母上、母上は平気なのですか叔父上は、井伊を裏切ったのですよ。殿を追い出し、虎松様を追い出し、奥山の叔父上も追い出し
なればこそなつが毅然と諭す。ここにとどまらねばならぬと思いませんか
亥之助はまた走り出す。

直虎たちは、道なき道を歩く。虎松は六左がしっかり抱いて歩いた。
はあ、はあ
ここは
入るぞ
古い狭い小屋のような家。
皆集まっていた。
直虎は皆に改めて言った。
一度しか言わぬ。そして、一度聞いたら忘れてくれ
皆は静かに頷く。
井伊は確かに潰れた。じゃが、ひと月、ふた月のうちに蘇らせようと思う
虎松は、蘇らせるとは
今年のうちに戦が始まる。そして、井伊には徳川が攻め込んで来る。その徳川と、井伊はすでに通じておる
皆驚きを隠せない。
我らはその折、徳川に応じて挙兵し、関口の首をあげ、徳川に差し出す。さすれば井伊は、瞬く間に蘇ることができる
梅梅沢昌代が聞く。あの、小野はどうするのでございますか。その折に成敗を
但馬は、実は全て知っておる
直虎は初めて、政次が井伊の敵のふりをして、今川の盾となり、井伊を守って来たことを明かす。
こたびも、あえて井伊を裏切り、今川の城代として城に入ることで、井伊を守ろうとしてくれておるのじゃと思う
六左が、思うとは
きちんと話しておらぬので。じゃが今は、井伊を守るためにあえて、今川に味方しておるのじゃと思う
皆驚くかと思ったら、六左も、高瀬も、祐椿尼も、虎松も、直久も、皆政次はそうではないかと見抜いていた。
わからぬはずは、ないか直虎のほうが感心する。
ところが直之だけは、それも含めて、騙されておられるということはございませぬか殿を篭絡し、我にも真の味方と思わせる。今のこのありさまこそ、まさに騙されているというものではござりませぬか
それは、ないと思う
まことにそう言い切ってよろしゅうございますのか
すると、虎松と直久が、政次の教育は、井伊の将来を考えてのことだと語る。
直之は、それも含めて騙されておるという話を
ゆきのじ直虎が言う。もしそなたの言う通り騙されておったとしても、こちらはこちらで井伊が蘇る策を、成功させればよいだけじゃ

井伊が潰れたことは、気賀にいる龍雲丸柳楽優弥たちにも届いていた。
事態は、直虎が思っているよりも深刻化していた。
駿府に帰った関口は、今川氏真尾上松也に井伊のことを報告する。
氏真はなぜか扇子を何度も手にパン、パン、パンと叩きながら、関口を鋭い眼光で睨み、話を聞いている。
大方様を疑うわけではございませぬが、但馬は、刃向こうたこともないわけですし、もう一度考えてもよろしいのではないかと
パンと思い切り音を鳴らすと、氏真は、井伊は、断絶せよ
驚く関口は、刃向かいもせず、徳政令を受け入れた者をですか井伊の尼城主は、ことのほか民に慕われておったようですし、いらぬ火種になりましょうかと
断絶せよ氏真が殺意の目で怒鳴る。
はっ

何ゆえ、虎松が身を隠さねばならぬのですか虎松は納得がいかない。
直虎が説明する。今川がそなたの首を差し出せとゆうてくるかもしれぬゆえな
やでございます虎松は怒った。虎松はここで皆と戦います
子供が戦えるわけがなかろう
殿は、共に井伊を守ろうとおっしゃったでは
その時、虎松の顔すれすれに矢が飛び、わらに突き刺さった。
目を丸くする虎松と怒鳴る六左。
傑山殿、何を
直虎は手で六左を制し、傑山市原隼人を見る。
傑山は、殺意の形相で弓矢を引き絞り、虎松に向ける。
虎松は顔面蒼白で動けなくなり、ただ怯えた表情で何もできなかった。
虎松様傑山は弓矢を構えながら言う。いくさ場とは、こういうものです
直虎は、虎松に井伊の歴史を聞かせる。
子供だった直親が逃げて、生きて帰って来たことが、井伊にとってどれほどの希望となったことか。
そして虎松が生まれ、皆はさらに大きな光を得た。
大将が生き残るということは、皆の生きる力になる。
それは他の誰にもできぬ。そなたにしかできぬ役目じゃ
直久も凛しい笑顔で言う。虎松様。必ずや城を取り戻し、お迎えにあがります。ですから、どうか我らのためにお逃げくださいませ
虎松は泣いた。こんな、こんな、大将でよいのか

では参りましょう傑山が虎松を連れて行く。
直虎は、六左に虎松の守りを頼む。
それがしに、務まりましょうか
寺までは傑山が同行する。寺に入ってしまえば三河の寺ゆえ、今川は手出しできない。
しかし、それがしなど
つべこべ言うな直之が笑って励ます。いざとなれば、そのデカイ図体で盾となればよいのじゃ

直虎は、虎松にとって、そなたの人柄は救いとなる。頼まれてくれぬか
六左は立ち上がった。
鎖帷子を、鎖帷子をお貸しくだされ奥山六左衛門、歩く盾になりまする
六左は、完全防備で身を固め、長いを杖を持ち、傑山と共に虎松の護衛をする。
六左の後ろ姿を見ていた直虎は、武蔵坊弁慶とは、あんな風であったのかの
武蔵坊弁慶を愚弄しておりますのか
直之の軽口に、直虎は思わず笑う。

直虎は井伊の様子を見に、南渓和尚に会いに寺へ行く。
関口は再び井伊に来て、政次に伝える。
駿府はそなたを城代に考えてもよいとゆうておる
まことにございますか政次は喜びを見せる。
ただし、それは虎松の首と引き換えじゃ
一瞬硬直しかけた政次だったが、すぐに満面笑顔になり、お安い御用にございます

直虎は、和尚と話していた。
政次をどこまで信じていいのか。
試されるのう、こうなると
はい
その時、武士を連れて、その政次が寺にやって来た。
虎松はどこじゃ
おやめください
黙れと武士が昊天小松和重を突き飛ばす。
ここに虎松がおられるであろう政次が冷酷な目で言う。おとなしく引き渡されよ
和尚が反論する。井伊は、太守様の命に従い、家を畳みました次第。謀反の咎ならいざ知らず、引き渡すいわれは微塵もございませぬかと。一つ、理由をお聞かせ願いませぬか
太守様が虎松の首をご所望じゃ
直虎は目を見開く。
どちらにいらしたどちらじゃ
知らぬ
この尼を捕らえよ。虎松が捕まらぬ折は、そなたでご満足していただく。連れてけ
次郎和尚が叫ぶ。武士の刀が遮る。
直虎は、大事はございませぬ、和尚様

大雨の夜。
倒れている子。
血まみれの小刀を持つ小野政次。
顔面蒼白の武士たちを見て、政次は、何という顔をしておる
しかし、さすがに
案ずるな。地獄へは俺が行く
雷雨が轟く。

小部屋に監禁されていた直虎に、武士が言う。庭へ来いと仰せじゃ
何ゆえ、庭に
虎松の首をあらためよとの仰せじゃ
直虎は、戦慄した。
上座には関口、傍らに政次。
南渓和尚はじめ、何人かが庭にすわらされていた。
そして、生首に被せてある桶。
直虎は、震える思いで首をあらためる。
関口は虎松の顔を知らない。
虎松の首ではなかった。
政次が、虎松の身代わりに、誰かの子を殺めたのだ。
直虎は首を抱いて泣き崩れ、祈った。
関口たちはその姿を見て、虎松の首と認識したようだ。
和尚も共に祈る。

直虎は泣きながら土を掘る。子の墓をつくるためだ。
そこへ和尚から話を聞いた龍雲丸が来た。
尼小僧様
悪いが取り込み中でな
手伝いやしょう
よい
龍雲丸が歩み寄る。
頼む、向こうへ行ってくれ
その子の親は、その子を売ったんだ。もう長くもねえと。その子も迷惑かけたばかりの親に銭を渡せて良かったと、きっとそう思った
かしらに何がわかる直虎は怒鳴った。
あの人は、守りたいから守ったんだ
小野政次は、井伊の城代へ。
直虎は、犠牲になったこの子のためにも、井伊の復活を誓う。
次回は、復活の火

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